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ウクライナ支援の輪、尼崎で広がる 五輪合宿で交流、募金や抗議行動展開 参加者「子ども犠牲、胸張り裂けそう」

2022/03/08 05:30

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、昨夏に東京五輪のウクライナ代表選手団を受け入れた兵庫県尼崎市で非難や支援の動きが広がっている。市と市議会は7日、抗議の決議を全会一致で可決し、市はウクライナへ支援金を送ると決めた。市民らは阪神尼崎駅前で抗議行動も展開。練習拠点となったプールがある県立尼崎スポーツの森(扇町)は9日から、寄付やメッセージを市民から募ることを決めた。

 市は2020年10月、ウクライナの競泳とアーティスティックスイミング、ベラルーシなどの代表選手団を受け入れるホストタウンに登録。ウクライナからは選手ら33人が事前合宿し、五輪では4個のメダルを獲得した。コロナ禍で選手の行動が制限される中、かやぶき民家で書道を体験するなど日本文化にも触れた。

 抗議文は稲村和美市長と前迫直美議長の連名で、7日に在日ロシア大使館(東京)へ郵送された。「子どもを含む多くの国民が犠牲となっており、核兵器の使用を示唆したことは、世界で唯一の被爆国の国民として、断じて容認することはできない」などとロシアの姿勢を非難した。

 市の支援金は300万円。日本赤十字社の「ウクライナ人道危機救援金」へ送り、現地での救援活動などに役立てられるという。

 一方、7日夜には阪神尼崎駅前で、横断幕を手にした市民約30人が「ウクライナに平和を」「プーチン(大統領)やめろ」と声を上げた。

 尼崎地区労働組合人権平和センター(竹谷町2)の企画で、長男(10)と長女(6)と参加したNPO職員の女性(46)は「子どもが犠牲になり、親子が張り詰めた顔で避難するのを見ると胸が張り裂けそうになる。どちらが悪いではなく、とにかく停戦を願うしかない」と話した。

 9日には県立尼崎スポーツの森が、事前合宿時の選手の写真などを飾った専用コーナーをプール受付に設け、ウクライナ大使館へ送るための募金箱を設置する。ウクライナ国旗を模した色紙を用意し、自由にメッセージを書いてもらう。色紙は後日、ウクライナの代表選手団関係者に届ける。(竹本拓也)

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