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ベトナム・ハノイの教会への無償譲渡が決まった伊丹市のパイプオルガン=伊丹市中野西1、伊丹市立サンシティホール
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ベトナム・ハノイの教会への無償譲渡が決まった伊丹市のパイプオルガン=伊丹市中野西1、伊丹市立サンシティホール
ベトナム・ハノイの教会への無償譲渡が決まった伊丹市のパイプオルガン=伊丹市中野西1、伊丹市立サンシティホール
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ベトナム・ハノイの教会への無償譲渡が決まった伊丹市のパイプオルガン=伊丹市中野西1、伊丹市立サンシティホール
とんがり屋根のユニークな外観を持つ伊丹市立サンシティホール
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とんがり屋根のユニークな外観を持つ伊丹市立サンシティホール

 兵庫県伊丹市の老人福祉センター「市立サンシティホール」(中野西1)にある大型パイプオルガンが、ベトナム・ハノイの教会へ無償譲渡される方針が固まった。市は同ホールの大規模改修を前に、メンテナンス費の負担などを理由に廃止を決定。約2年前から譲渡先を公募し、ようやく引き取り手が見つかった。毎月の演奏会などで荘厳な音色を響かせてきたパイプオルガンは、海を越えて再び活躍することになる。(久保田麻依子)

 とんがり屋根のユニークな外観を持つ同ホールは1990年に建設され、パイプオルガンは93年に設置された。市の姉妹都市として交流のあるベルギーで製造された特注品で、同ホールのシンボル的存在として長年親しまれてきた。

 楽器は高さ約7メートル、パイプは1696本で、伊丹市地域高年・福祉課は「音楽専用ホールや教会以外で、この規模の大きさはあまり見られない」とする。阪神・淡路大震災でパイプの一部は破損しているが、こまめなメンテナンスを繰り返し、毎月の無料コンサートなどで多くの人を楽しませてきた。

 しかし設置から30年近くが経過し、ホールの大規模改修が必要となる中、市は2020年度に「高齢者福祉の事業に重点的に取り組む」として、パイプオルガン事業を廃止。楽器一式の無償譲渡先を公募したものの、楽器の解体や輸送費などが負担となり、手が上がらなかった。楽器撤去を前提として、21年度に予定していたホールの改修も延期を余儀なくされた。

 昨年11月、関係者の紹介を通じて、大分県の教会に所属するベトナム人の司祭から「古里の教会ではあまり見られないパイプオルガンを設置したい」と申し出があり、同12月下旬に譲渡候補に決定。教会は「ハノイ カテドラル聖ヨセフ大聖堂」で、ハノイで最も古い歴史を持つという。

 来年はベトナムと日本の国交樹立50周年の節目でもあり、同課は「市民から長く愛された貴重な楽器を有効に活用していただけたらありがたい。ハノイは観光地としても有名なので、日本人が訪れた際に目に触れる機会にもつながれば」と期待を寄せる。輸送費や修繕費などにかかる約20万ドル(約2300万円)は教会側が負担するという。

 パイプオルガンの無償譲渡に関する議案は開会中の市議会で審議され、譲渡が決まれば6月末までに移設工事が行われる。

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