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50周年の記念乗車券を手に入れた板橋利喜造さん=JR新神戸駅
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50周年の記念乗車券を手に入れた板橋利喜造さん=JR新神戸駅

 山陽新幹線開通と同時に開設して15日で50年となったJR新神戸駅。当時、開設5日前から駅舎に並び「一番切符」を手に入れた兵庫県西宮市の板橋利喜造さんが50年の節目に新神戸駅を訪れた。今回並んで買ったのは「50周年記念乗車券」。「今ここにいるなんてあの時は思ってもいなかった。感激です」と時の流れをかみしめた。

 1972年3月15日、当時の鉄道マニアがこぞって狙ったのが一番切符だった。板橋さんは5日前から泊まり込む作戦で約200人の先頭に立ち、23種類もの一番切符を手に入れた。

 それから50年。限定3千枚の記念乗車券が新神戸駅でも販売された。当時の駅舎や新幹線を刷った台紙と、岡山-新神戸各駅の切符がセットになっている。

 今回は整理券を得るため、当日午前9時前に着くと159番目。「まあ今回は1番狙いじゃないですから」と苦笑い。先頭の人は前日夜から並んでいるといい、最終的に200人以上の列ができた。

 駅舎内は当時なかった自動発券機ができ、飲食店も多くが入れ替わった。「たぶんここら辺で陣取ったと思います」と駅東側の場所を指し、父親に届けてもらった母の手作り弁当や駅前喫茶店でのモーニングの味など、5泊6日の戦いを懐かしんだ。

 新神戸駅は今、三ノ宮駅の管轄になり、板橋さんの一番切符を見た三ノ宮駅長の大山貴さんは「これは貴重だ」と感嘆の声をあげた。「今ではパンチで穴を開ける『硬券』の存在を知らない人も多いですからね」

 板橋さんは「このイベントに立ち会えて感無量です」と満面の笑み。普段は何げなく通り過ぎるが、今日ばかりは懐かしさがどんどん込み上げる。整理番号を呼ばれると「来た!」と小走りで窓口に走っていった。(村上貴浩)

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