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寄付する際に使ったマイバッグを手に、思いを語る古田喜久治さん=26日午前、伊丹市千僧1、伊丹市役所
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寄付する際に使ったマイバッグを手に、思いを語る古田喜久治さん=26日午前、伊丹市千僧1、伊丹市役所
「子どもたちのために活用してほしい」と1千万円を市役所に届け、感謝状を受けた古田喜久治さん(右)=伊丹市役所
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「子どもたちのために活用してほしい」と1千万円を市役所に届け、感謝状を受けた古田喜久治さん(右)=伊丹市役所

 伊丹市役所(兵庫県伊丹市)を訪れた高齢の男性が、子育て支援課の窓口にポリ袋を差し出した。中には、厚さ10センチになる帯付きの現金1千万円。慌てふためく職員に男性は告げた。「地域の子どもたちのために活用してほしい」。市は寄付として受け取ることを決め、26日、感謝状を贈った。

■理容師一筋60年

 男性は、市内で30年近く理容店を営む古田喜久治さん(79)。堺市で生まれ、中学を卒業してからほぼ理容師一筋で働いてきた。

 独身の独り暮らし。店から見える、近くの保育所に通う園児らのにぎやかな姿が、元気の種となってきた。「(理容の)技術に自信が持てるようにもなったので、子どもたちに喜んでもらいたい」と考え、約60年間の理容師人生で蓄えた金を寄付することにした。

■伊丹署員の警護付きで現金下ろし

 12月中旬に銀行で現金を下ろすと、県警伊丹署員が警護のために自宅まで送り届けてくれた。同21日午前、半透明のスーパーのポリ袋に現金を入れ、エコバッグに包んで自転車で市役所へ。窓口の職員から報告を受けた上司も、いきなりの申し出と現金の束に戸惑ったものの、男性から思いを聞き、数人で受け取り手続きをした。

 市は今後、使途を検討する。藤原保幸市長は「長年にわたって活躍されてきたお金を市のために寄付してもらって感謝している。少子化が進むが、子育て支援は未来につながるものなので、今後もしっかり力をいれていきたい」と話した。

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