犠牲者慰霊式で献花する遺族ら=宝塚市栄町2
犠牲者慰霊式で献花する遺族ら=宝塚市栄町2

 阪神・淡路大震災から30年がたった17日、宝塚市で10年ぶりとなる犠牲者慰霊式がソリオホール(同市栄町2)で開かれた。亡くなった14人の遺族25人を含む150人が参列。遺族代表で住職の長谷川宣正さん(65)=同市中筋3=が「大好きな父と最愛の妻を亡くし、30年たっても悲しみは癒えないが、まちが復興していくことが最大の供養になる」と追悼の言葉を述べた。(冨田佳久)

 長谷川さんは400年以上続く妙玄寺の住職。同級生だった妻の佳世さん=当時(36)=と、口数の少なかった父好昭さん=当時(66)=を亡くした。大きな揺れで住居や寺の本堂は全壊。長谷川さんと2人の子どもは難を逃れたが、佳世さんはがれきから助け出すのに時間がかかり、息絶えた。離れにいた好昭さんも家屋の下敷きになった。