表彰状を受け取る(右から)横田雄志さん、石井大地さん、藤本虎汰郎さん=西宮市六湛寺町
表彰状を受け取る(右から)横田雄志さん、石井大地さん、藤本虎汰郎さん=西宮市六湛寺町

 兵庫県西宮市の甲子園球場でプロ野球の試合観戦中、心肺停止になった男性を救ったとして、市消防局は24日、その場に居合わせた救急救命士や球場の警備員ら6人を表彰した。男性は後遺症もなく社会復帰したといい、表彰を受けた人たちは「みんなの協力と処置の大切さを実感した」と喜びを口にした。(堀内達成)

 市消防局などによると、6月17日の阪神タイガース対東北楽天ゴールデンイーグルスの試合中、50代の男性がライトスタンドの階段で倒れた。

 3月まで救急救命士として京都府久御山町消防本部で働いていた横田雄志さん(40)は人だかりに気付いて駆けつけ、頸(けい)動脈を測った。脈拍は弱く「心臓が止まる可能性がある」と思った。ひとまず周囲の人たちで男性があおむけに横たわれる通路に運んだ。

 無線を聞いて駆けつけた警備員の石井大地さん(37)と藤本虎汰郎さん(23)らが自動体外式除細動器(AED)を携えて到着。横田さんが再び脈拍を確認すると止まっていたため、AEDを準備する間、石井さんが胸骨圧迫(心臓マッサージ)をした。2回目の電気ショックを行った際、男性は声を発し、目を開けたという。到着した救急隊に引き継いだ。

 倒れているのを見つけてから心肺が回復するまで6~7分だったという。横田さんは「救命活動をしてきて、現場で意識が戻ることはなかなかない。早く対応できてよかった」と振り返る。

 石井さんは「われわれの仕事は命につながる重要な仕事であることを改めて実感した」。倒れた男性のそばで息子と思われる男児が泣いていたといい、藤本さんは「その子のためにも無事で良かった」と胸をなで下ろしていた。

 表彰式で長谷川孝治消防局長は「観客で混雑する球場での救急対応は難しい。動線確保などでも冷静に対応してもらった」と感謝を示し、表彰状を手渡した。