兵庫県姫路市に「シャボン玉おじさん」がやってきた。身近な道具で自由自在にシャボン玉を作り出し、各地でパフォーマンスする野村佳史さん。長年ボランティアで活動してきたが、「今挑戦しないと、年を重ねた時に後悔する」と国家公務員の職をなげうち、この春、長年の夢だったプロに。シャボン玉作りのギネス世界記録を持つなど、実力は折り紙付きだ。(上杉順子)
野村さんは山口県出身。子どもの時から大道芸にあこがれ、言葉がなくても誰にでも伝わる魅力のとりこに。転勤族であることを生かし、これまでに全国300カ所以上の幼稚園や保育園でシャボン玉や手品、腹話術を披露して腕を磨いてきた。手品と腹話術は独学だが、シャボン玉は関東での勤務時代、東京・代々木公園で活動するパフォーマーに基本の道具や作り方を教えてもらったという。
食器洗いおけに、大量のシャボン液を入れる。シャボン玉を作る枠はプラスチックのチェーンや渓流釣りのさお、うちわなど、日用品を利用したものばかりだ。液は「秘密の液」と呼ぶ特製で、シャボン玉が大きく長持ちするよう研究を重ねて完成させた。
世界記録に挑戦したのは、昨年11月。当時の勤務地だった徳島県で「世界一大きい道具でシャボン玉作りに成功する」というテーマに挑んだ。3カ月かけて道具や液を用意し、認定に必要な条件「全長14・317メートルの木綿のロープに作った、70個の穴全てからシャボン玉を出す」ことに成功。ギネス本社から今年2月に認定された。
3月末、20年以上続けた仕事を退職して姫路市に移住し、個人事業主となった。姫路には縁もゆかりもなかったが、子どもに特化したシャボン玉ショーをするため各都市のデータを調べるうち、イベントや幼稚園・保育園の数が多いことなどに将来性を感じて拠点に選んだという。
シャボン玉の魅力を「子どもから大人まで、誰もが見たら楽しくなれること」と語る野村さん。いずれは地元の姫路城周辺などでもパフォーマンスをしたいと考えている。6月は、10日に東条湖おもちゃ王国(同県加東市)のステージに立つ。
問い合わせはインスタグラムのアカウント「シャボン玉おじさん」(@shabondama.ojisan)から。