境内で豪快に練り合わせる(左から)宇佐崎、妻鹿、中村地区の屋台(撮影・辰巳直之)=松原八幡神社
境内で豪快に練り合わせる(左から)宇佐崎、妻鹿、中村地区の屋台(撮影・辰巳直之)=松原八幡神社

 「灘のけんか祭り」で知られる松原八幡神社(兵庫県姫路市白浜町)の秋季例大祭は14日に宵宮を迎えた。神社周辺では、灘旧七カ村(地区)の氏子たちが朝から勇壮な屋台練りを繰り広げ、「ヨーイヤサー」のかけ声や太鼓の音を秋空に響かせた。(藤本賢市)

 けんか祭りは県の重要無形民俗文化財に指定され、祭りどころの播磨を代表する祭礼の一つ。激しい屋台の練り合わせや、壊れれば壊れるほど神意にかなうとされる神輿(みこし)のぶつけ合いが見どころとして知られる。

 屋台は各地区を巡行した後、宮前に勢ぞろい。午前11時すぎ~午後3時半にかけて東山、木場、松原、八家、妻鹿、宇佐崎、中村地区の順に宮入りした。屋台の周辺は、地区ごとに異なる色のシデ棒が揺れた。拝殿前では東山地区の氏子らが獅子舞を披露した。

 神事を終えた屋台は、楼門前の練り場へ。屋台が激しくぶつかり合うと、観衆からは歓声が飛び交った。祭りを取り仕切る「年番」中村地区の総代、土師継士(はぜけいし)さん(74)は「地域一丸で準備を進めてきた。後は、最高の練りをするだけ」と力を込めた。

 15日の本宮では、同神社西の練り場「お旅山」などで、屋台練りや名物の「神輿合わせ」が予定され、祭りはクライマックスを迎える。