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 ヤマト運輸株式会社(東京)は14日、姫路主管支店(姫路市花田町)の元社員が、姫路、加古川、高砂、宍粟市などにある取引企業の情報2万6790件を不正に持ち出し、外部の企業2社に流出していたと発表した。うち1社が営業活動に利用していたことが判明。ヤマト運輸は警察に相談しており、元社員と流出先2社の刑事告訴を検討している。

 ヤマト運輸はこの2社の社名や業態を明らかにしていないが、14日までに流出情報の破棄を求めたところ、共に応じたとしている。

 不正に持ち出されたのは取引先1万1356社の企業名や住所、取引にかかる請求金額など。請求書にある取引先561社の750人分と、姫路主管支店の従業員、元従業員324人分の名前が含まれていた。

 現時点でヤマト運輸の配達先に関する情報や、同社ウェブサービスを利用する際のID、パスワードの持ち出しは確認されていない。

 同社などによると、取引企業から「不審な営業活動を受けた」と連絡を受けて調査したところ、9月16日に社員による情報の不正持ち出しと流出が判明。その後、社員は退職した。同社や取引企業に金銭被害は出ていないという。

 同社は14日にホームページで調査結果を公表し、情報を持ち出された取引企業には郵送や電話などで連絡した。「今回の事態を重く受け止め、より一層の管理体制の強化と全社員を対象とした情報セキュリティー教育の再実施で再発防止に努める」としている。