長大な橋桁が縦横に伸びる岩屋歩道橋=神戸市神戸市灘区都通1

長大な橋桁が縦横に伸びる岩屋歩道橋=神戸市神戸市灘区都通1

 鉄道や自動車といった陸上交通手段の発達は、快適な高速移動を可能にする一方で、重大交通事故の脅威をもたらした。危険極まる道路や線路を横断しようという歩行者の安全を守るため、各地に設置されたのが歩道橋だ。その数、兵庫県内に少なくとも725基。普段は注目されることが少ないこの地味な安全施設に光を当て、ランキングを作成した。

 歩道橋のデータは、国や自治体、高速道路会社などが管理する全道路施設を網羅した国土交通省の「全国道路施設点検データベース」(2024年12月20日現在)から抽出した。

 歩道橋は道路の両側に階段があり、道路上に橋を渡した形態が一般的だが、地形や道路形状、用途に応じて多様な形を持つ。今回は橋の長さで順位を調べた。

 100メートル以上の歩道橋は県内に70基、200メートル以上は9基あった。

 9位は神戸電鉄西鈴蘭台駅の南側に位置する「南五葉歩道橋」(神戸市北区南五葉2、212メートル)。SNS(交流サイト)の「X」を運営するイーロン・マスク氏をも魅了するに違いない見事なX型の橋桁が幹線交差点上に渡されている。

X型に交差点を渡す南五葉歩道橋=神戸市北区南五葉2

 8位はJR三ノ宮駅東側からフラワーロードまでをまたぐ「三宮駅前歩道橋」(神戸市中央区三宮町など、227メートル)。1980年の架設以来、恐らく県内最多の歩行者を運んできたとみられる栄光の架け橋だ。

JRと阪急を連絡する三宮駅前歩道橋。JR駅ビル建て替え工事で、途中部分が途切れている=神戸市中央区三宮町1

 残念ながら、JR三ノ宮駅ビル建て替え工事のために途中部分が撤去されている。神戸市中部建設事務所によると、新ビルを通って再び通り抜けられるようになるが、フラワーロード部分は架け替えが予定されている。