兵庫県警尼崎南署に移送される朝比奈久徳容疑者(右)=29日午後5時32分、尼崎市浜田町4
兵庫県警尼崎南署に移送される朝比奈久徳容疑者(右)=29日午後5時32分、尼崎市浜田町4

 兵庫県尼崎市の路上で27日夕、指定暴力団神戸山口組(神戸市中央区)の古川恵一幹部(59)が射殺された事件で、兵庫県警は29日、銃刀法違反容疑で京都府警に逮捕された無職朝比奈久徳容疑者(52)=愛知県江南市=を殺人の疑いで再逮捕した。兵庫、京都の両府県警は同日、合同捜査本部を設置。組織的背景の有無や動機の解明を進める。

 朝比奈容疑者は神戸山口組と対立する指定暴力団山口組(神戸市灘区)の元組員とみられる。昨年12月に組を「破門」されたとされるが、破門は偽装だったとの見方もあり、兵庫県警は今回の事件も組同士の対立抗争とみている。

 再逮捕容疑は27日午後5時5分ごろ、尼崎市神田南通1の路上で、古川幹部に殺意を持って自動小銃を発射し殺害した疑い。「殺すつもりで、持っていた自動小銃で約30発撃ったことに間違いない」と容疑を認めている。

 捜査関係者によると、現場からは空の薬きょう15発と不発だった実弾13発が見つかっており、古川幹部は即死だったという。

 同容疑者は、米国製の自動小銃「M16」を使用したとも供述。M16は殺傷能力の高い軍用銃で海外では出回っているが、「個人での入手は考えにくい」(捜査員)といい、入手経路も調べる。

 捜査関係者によると、同容疑者が発砲した銃弾の一部は古川幹部の体を貫通していたといい、流れ弾が当たって一般人に危害が及ぶ恐れも十分にあったという。

 朝比奈容疑者は殺人容疑で再逮捕後、京都府警から移送された。同容疑者を乗せた捜査車両は29日夕、尼崎南署に到着。当初は車内でうつむいていたが、詰め掛けた報道陣に視線を向ける場面もあった。