のじぎく賞を受けた辻亜矢子さん(右)と牛尾理恵さん=兵庫県警高砂署
のじぎく賞を受けた辻亜矢子さん(右)と牛尾理恵さん=兵庫県警高砂署

 兵庫県警高砂署は、人命救助に尽力した高砂市内の5人に、県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。3人は踏切で立ち往生した男性(88)を連携して助け、2人は迷子の児童を保護した。「役に立ててよかった」などと受賞を喜んでいる。(斎藤 誉)

 踏切で男性を救助したのは、アルバイトの牛尾理恵さん(41)と長男の龍太郎さん(12)、会社員の辻亜矢子さん(42)の3人。

 2月11日午後7時半ごろ、牛尾さん親子は車で山陽電鉄の踏切(同市伊保崎2)を通過した。龍太郎さんが振り向くと、自転車を押しながら、踏切内で立ち往生している高齢の男性が見えた。「ママ、おじいちゃんやばいって」と理恵さんに声を掛け、車から降りて踏切へ戻った。理恵さんは非常ボタンを押し、男性に「チャリ(自転車)から離れて」と声をかけた。

 同じ頃、車で通りがかった辻さんは、非常ボタンの警告音を聞いて様子を見にきた。踏切の反対側に男性がいた。「(男性は)遮断機の前まで来ているし、私が行ったら二次災害になるかも」と一瞬ためらったが、男性が動く気配を見せないため、意を決して遮断機をくぐった。

 辻さんが駆け寄ると、男性は自転車のハンドルを強く握り、体が強(こわ)ばっていた。肩を貸して男性を遮断機の外に運び出し、安全な場所に連れ出して110番。自転車は牛尾さん親子が引っ張り出した。電車は非常ボタンを押したため、踏切の手前で停車した。男性にけがはなく、駆け付けた警察官に保護された。

 高砂署で4日にあった伝達式で、牛尾理恵さんは「息子が気付いたおかげ。大きな事故にならなくてよかった」。辻さんも「人助けは警察や消防の仕事だと思っていたが、役に立ててよかった」と喜んだ。

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 捜索願が出ていた小学2年の男児を保護した竜山中2年の竹田悠吾さん(14)と砂川大空(そら)さん(14)。男児に同行して自宅方面へ向かい、家族の元へ送り届けた。

 2月15日午後7時15分ごろ、食事に出かけた2人は加古川市の播州大橋(国道250号)へ続く歩道で、泣きながら高砂方面に走る男児を見つけた。「どうしたの」と声をかけると、「親に怒られて、ここまで歩いてきた。お母さんに会いたい」と男児は答えた。日没後で周囲は暗く、2人は男児を自宅まで送ることに。

 前日がバレンタインデーだったため、男児に「チョコレートもらえた?」などと問いかけて歩くこと約1時間。男児を探していた家族や警察官と高砂市内で遭遇し、無事引き渡した。

 竹田さんは「賞をもらえると思ってなかったので、うれしい」。砂川さんは「(男児に)迷子の子を見つけたら、送ってあげられる人になってほしい」と話した。