マルーンカラーの車両が建物に向かって滑り込んで来る-。2021年春に開業した三宮の新たなランドマーク「神戸三宮阪急ビル」(神戸市中央区)のコーヒー店からの眺めだ。都心の活気を眼前に、ゆったりとした時間が流れる。
1936年に建設された旧神戸阪急ビル東館は、長年親しまれた名建築だったが、阪神・淡路大震災で解体を余儀なくされた。同じ場所に誕生した新ビルは地上29階建てで、低層部はアーチ状の窓などを備え、旧ビルの意匠を受け継いだ造りとなっている。
このビル3階に6月末、オープンしたのが「タリーズコーヒーセレクト阪急三宮店」。店内はコンパクトながら、広々とした窓からの借景は圧巻だ。梅垣茜店長(32)は「通勤通学ラッシュの朝、日中から薄暮となる夕方、夜景と、刻々と変化して、いい眺めですよ」と話していた。(長嶺麻子)