国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する世界ジオパークの再認定審査で、2024年までの課題改善を求められている「山陰海岸ジオパーク」について、国内組織の日本ジオパーク委員会による事前確認が10日、豊岡市内で始まった。来年の再審査を前に、ユネスコの審査員も務める調査員ら3人が、12日まで兵庫、京都、鳥取の3府県を回り、課題への対応状況などを確認する。
山陰海岸は10年、世界ジオパークに初認定された。4年に1回、再認定に向けた審査があり、22年の審査で「条件付き」とされた。ユネスコの報告書は、同市の玄武洞公園そばの民間施設で岩石類などを販売していることが、世界ジオパークの指針にそぐわないとして、山陰海岸ジオパーク推進協議会(事務局・但馬県民局内)に対応を求めた。
調査員らは10日、同県民局で説明を受けた後、焦点となっている民間施設や玄武洞公園などを訪問。同推進協会長の関貫久仁郎豊岡市長とも対談した。
初日の日程を終えた同委員会の宮原育子副委員長は「目標にまだまだ届かない部分や調整が必要な部分もあるが、日本(の他の地域)や世界でも同じような課題を抱えている。少しずつ話し合いながら、いい解決方法を探っていくことが大切だ」とした。(阿部江利、丸山桃奈)