コロナ患者から生まれた赤ちゃんを運ぶ「新生児・未熟児用閉鎖型搬送用保育器」=神戸市中央区港島南町2、市立医療センター中央市民病院
コロナ患者から生まれた赤ちゃんを運ぶ「新生児・未熟児用閉鎖型搬送用保育器」=神戸市中央区港島南町2、市立医療センター中央市民病院

 新型コロナウイルスがオミクロン株に置き換わった感染「第6波」以降、重症肺炎は大幅に減ったが、感染者は爆発的に増えた。それまで少なかった妊婦や子どもの患者も急増した。

 一方、感染した妊婦に対応できる設備がないなどの理由で入院先は限られた。「総合周産期母子医療センター」に指定される神戸市立医療センター中央市民病院は、妊婦や新生児にとっても最後のとりでだった。

 「第5波」さなかの2021年8月、衝撃的なニュースが駆け巡った。千葉県柏市の30代の感染者が自宅で早産し、男の赤ちゃんが死亡した。出産の2日前から入院を調整したが決まらず、病院到着は出産の45分以上後。赤ちゃんは生まれた時には息をしていた。