神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 神戸市西区の草むらで2023年6月、近くに住む穂坂修ちゃん=当時(6)=が遺体で見つかった事件で、修ちゃんへの傷害致死などの罪に問われた母親の沙喜被告(37)ら3姉妹の裁判員裁判の論告求刑公判が10日、神戸地裁であり、検察側は沙喜被告に懲役8年を求刑した。

 姉妹は沙喜被告の妹で、修ちゃんの叔母の朝美被告(33)と朝華被告(33)。検察側は、両被告にも懲役7年を求刑した。

 検察側は、朝美、朝華両被告が修ちゃんの両手両足を押さえ、沙喜被告が鉄パイプで背中を多数回殴ったなどと主張。修ちゃんが叔父の大地被告(34)から執拗な暴行を受ける中、自身へのさらなる暴力の被害を避けるため「傍観するのみだった」と非難した。

 3人の弁護人は、大地被告に逆らえず、事件を回避する「期待可能性」がなかったなどと主張していた。

 起訴状によると、4人は共謀し23年6月19日、同市西区の自宅で、修ちゃんの背中を鉄パイプで多数回、殴ったり踏みつけたりするなどして死亡させ、遺体を遺棄したとされる。