判決を受け会見する亡くなった松尾侑城君、眞輝君兄弟の両親=15日午後、姫路市北条1、兵庫県弁護士会姫路支部会館
判決を受け会見する亡くなった松尾侑城君、眞輝君兄弟の両親=15日午後、姫路市北条1、兵庫県弁護士会姫路支部会館

 「懲役30年に処する」。兵庫県稲美町の民家で幼い兄弟2人が亡くなった放火事件の判決。裁判長は同居する親族間のトラブルが背景にあるなどとして、伯父の松尾留与被告(53)の死刑を回避した。閉廷後、憤りをあらわにした遺族ら。「有期刑は納得がいかない。天国の2人に報告できない」。公判で極刑を訴えた兄弟の両親は検察側に控訴を求めた。

 主文が読み上げられている間、上下黒色の服装で、わずかに背中を丸めて座った松尾被告は、裁判長をじっと見つめ、終始表情を変えなかった。

 判決の最後に、裁判長が「兄弟への謝罪の気持ちを持って生きてほしい」と言葉をかけると、小さく頭を下げた。