兵庫県議会の会派「維新の会」から、次期知事選への立候補要請を受けた清水貴之参議院議員(右から2人目)=2日午後、兵庫県庁
兵庫県議会の会派「維新の会」から、次期知事選への立候補要請を受けた清水貴之参議院議員(右から2人目)=2日午後、兵庫県庁

 兵庫県知事だった斎藤元彦氏(46)の失職に伴う知事選(31日告示、11月17日投開票)に、日本維新の会の清水貴之参院議員(50)=兵庫選挙区=が2日、立候補する意向を表明した。同日、維新の会県議団から出馬要請を受け「大変重く受け止め、県政の混乱を立て直したい」と述べた。維新公認か無所属かについては「今回は政党以前に県全体の問題。広い視点でどういった戦い方がベストか考えたい」とし、党本部と協議の上で来週にも正式発表する。

 清水氏は福岡県出身。朝日放送アナウンサーを経て2013年参院選で初当選し2期目。昨年、次期衆院選で兵庫8区(尼崎市)にくら替え立候補すると発表していたが、「尼崎のためにも県の問題を何とかしたい」と話し、同区の候補選定も進める考えを示した。

 知事選については「斎藤県政の評価すべきところはするが、告発文書問題の初動、県民や職員とのコミュニケーションに問題があった」「(県政に)批判の声は多く、イメージを変えていきたい」と強調した。

 維新は3年前の知事選で、自民とともに斎藤氏を推薦。告発文書問題では「調査が優先」と静観する立場だったが、県議会の調査特別委員会(百条委員会)での斎藤氏の発言などを受け、知事不信任決議で賛成に回った。

 清水氏が党の公認、推薦のどちらになるかについて、維新の藤田文武幹事長は2日の会見で「党としてどういう形で戦うか協議中。本人の意向も尊重しながら考える」と述べるにとどめた。3年前、維新とともに斎藤氏を推薦した自民は独自候補の擁立を断念し、対応が分かれる形となった。

 知事選にはほかに斎藤氏、共産党の推薦を受ける医師の大沢芳清氏(61)、前尼崎市長の稲村和美氏(51)、元経済産業省官僚の中村稔氏(62)が立候補する見通し。(岩崎昂志、前川茂之、末永陽子)