MBSが22日夜に放送した「兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)が、斎藤元彦知事のパワハラを認定する方向で調整している」との報道に対し、百条委の奥谷謙一委員長は23日、報道陣の取材に応じ、「事実に基づいておらず、誤報だ」と内容を否定した。
報道では、斎藤知事による業務時間外のチャットでの指示と、出張先で出入り口の20メートルほど手前で公用車から降ろされた際に職員を叱責(しっせき)したことについて、百条委が「パワハラと認定する方向で最終調整している」と報じた。
奥谷委員長は、百条委がとりまとめている報告書の進捗(しんちょく)状況について「現在は証人尋問の証言の整理がおおむねできた段階で、事実認定や、パワハラかどうかなどの評価はこれから協議するところ」と説明。放送後にMBSに訂正を求めたが、奥谷委員長のコメントを挿入するとの対応を提案され、訂正は拒否されたという。
奥谷委員長は「事実に基づかない報道は県民に誤った印象と、今後の委員会の議論に悪い影響を与える可能性もある」としている。
また、2月定例会に報告書を提出するに当たり、非公開の協議会を設けて内容を審議する考えも示した。「秘密会の職員証言を公開では議論しにくい。委員が闊達(かったつ)な議論ができるよう選択肢として考えている」と話した。
MBSは「確かな取材に基づき、放送いたしました。奥谷委員長の主張も受け止めた上で、今後も報道してまいります」とコメントした。記事の訂正や削除の予定はないとしている。