消防長によるの職員へのパワーハラスメントがあったことについて、謝罪して頭を下げる林時彦市長(手前)ら=丹波市役所
消防長によるの職員へのパワーハラスメントがあったことについて、謝罪して頭を下げる林時彦市長(手前)ら=丹波市役所

 丹波市は28日、消防職員の階級昇任試験面接で、男性職員の身だしなみについて繰り返し威圧的な態度で叱責するパワーハラスメントをしたとして、50代の消防長の男性を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にしたと発表した。処分は24日付。同日付で総務部付に更迭した。

 同市によると、消防長は昇任試験の面接会場に男性職員が入室するとすぐに、「制服のポケットのふたが乱れている」「ネクタイが緩んでいる」「ズボンに大きなしわが寄っている」「髪が伸びている」などと、大きな声で注意し一度退出させた。再入室後も「丸刈りにしろとは言わないが、散髪に行ってもう一度見せに来い」「散髪しないと合格させない」などと、激しい叱責を続けたという。

 職員は昨年11月25日に丹波市公平委員会に相談。パワーハラスメントの可能性があると判断し、市が男性に聞き取りした。1月には苦情処理委員会を2回開催。職務上の地位や職場内の優位性を背景に「強いストレスを与え、就労意欲を低下させる状況に至らせた」と確認し、同月22日にパワーハラスメントと認定した。

 林時彦市長は「市民の皆さまの信頼を損ねる行為。再発防止と良好な職場環境づくりを目指し、ハラスメント行為の根絶に関する取り組みを強化していく」と話した。(伊藤颯真)