関係者全体でパラリンピック種目への採用を目指しているスポーツ「電動車椅子サッカー」で、兵庫勢が存在感を増している。ワールドカップ(W杯)の最優秀ゴールキーパーをはじめ、多数の日本代表選手や監督を輩出。名手のそろう県代表は、昨年10月に九州で開かれた全国障害者スポーツ大会(全障スポ)で優勝しており、競技レベルと認知度双方の向上に貢献している。(那谷享平)
■「全障スポ」優勝、日本代表選手や監督を輩出
フットガード付きの電動車椅子に乗って行う室内競技。1チーム4人で性別の区別はない。選手たちは最高時速10キロ以下の車椅子を、障害に応じて手や舌などでジョイスティックを動かして操縦。その場で車体をスピンさせて放つ回転シュートなど、技巧にあふれるプレーが魅力だ。
日本サッカー協会(JFA)などによると、日本の車椅子サッカーの歴史は1982年、大阪市で始まった。黎明(れいめい)期には金属製フットガードの代わりに半分に切った軽自動車のタイヤを車椅子に装着し、ボールも大きかったという。