2024年は全国の選挙で交流サイト(SNS)の影響力が注目され、国は今夏の参院選も視野に法規制のあり方を議論している。SNSが政治に大きく作用する現象について、法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は、新型コロナウイルス禍が前兆になったとし、手放しで増長すれば、有権者の知る権利が危ぶまれると警鐘を鳴らす。(聞き手・金 慶順)
-兵庫県知事選はとりわけSNSが大きな影響力を持ったと言われている。なぜこのような状態になったと考えたらいいのか。
「マクロな視点では、新型コロナ禍を経てインターネットの信頼度が上がったことがある。ネット選挙の解禁は2013年だが、当時の調査によると、ネット情報を参考に投票した人は8%程度しかいない。ネットは『信用できない情報が流れている』というイメージだった。ところがコロナ禍で老若男女がネットをつないで仕事や生活をし、リモートワークやリモート授業が一般化する中で、『むしろ信用できるのでは』と意識が変わっていった」