神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 救急搬送中の高齢者から盗んだクレジットカードを私的に利用したとして、窃盗と電子計算機使用詐欺などの罪に問われた元神戸市消防局職員の男(30)の判決公判が13日、神戸地裁であった。酒井英臣裁判官は懲役1年8月、執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 判決などによると、男は灘消防署の救急隊員だった2024年7~8月、神戸市北区と灘区で、救急車内で80代の高齢者2人をそれぞれ救命処置する中、荷物からクレジットカード計2枚を盗み、後日飲食店で使った。

 酒井裁判官は判決理由で「救急救命処置を担う立場を利用し、助けを必要とする被害者の状態を省みない悪質な犯行」と断じた。

 男は公判で「意識状態の悪い人を搬送する際、傷病者と2人になる隙を見計らって盗んだ」などと証言していた。被告は今年3月に懲戒免職になった。