カムチャツカ半島付近で起きた巨大地震に伴う瀬戸内海沿岸への津波注意報を受け、兵庫県姫路市は30日、災害警戒本部を立ち上げた。同県たつの市や赤穂市も設置し、沿岸部の住民や海水浴客らに注意を呼びかけている。姫路市では学校などに避難する動きも出ている。
同日午後2時ごろの津波到達が予想される姫路市は同日午前11時半から、同本部の第1回会議を開いた。山田基靖副市長をトップに部長級の約20人が市防災センター(同市三左衛門堀西の町)に集まり、各部署の警戒態勢を報告した。
消防本部は沿岸パトロールを実施。海水浴客や釣り人に避難を呼びかけ、水門の閉鎖を指示した。建設局も県と連携し、河川の水門の閉鎖を進めた。
教育委員会は中学校に部活動の中止を求め、自宅に保護者がいない場合は校内に生徒をとどめるよう通知した。高浜小学校(同市飾磨区阿成鹿古)と広畑公民館(同市広畑区本町1)に数人が自主的に避難したことも報告された。
農林水産環境局は管轄する坊勢漁港で、地元消防団に防潮堤の閉鎖を委託。高さ1メートルの津波が予想されるが、担当者は防潮堤の効果で「(島内に)浸水しないと考えている」と話した。
危機管理室によると、姫路海上保安部は姫路、網干、相生の各港の船舶に係留の強化などの注意を促しているという。山田副市長は「特に沿岸、離島の状況を注視し、引き続き警戒を取る」と強調し、危機管理室は各部署に情報把握に努めることを求めた。
このほか、たつの市が新舞子海水浴場(たつの市御津町)の遊泳客に避難を呼びかけた。赤穂市は沿岸部に広報車を出し、監視担当の職員が潮位の変動を警戒。市内の海水浴場2カ所に紅白2色の「津波フラッグ」を立てて注意を求めた。
相生市は沿岸部の水門など37カ所を閉鎖したほか、防災行政無線で注意喚起を行っている。(まとめ・有島弘記)