今春同大を卒業した陸上女子中長距離界のエースで、東京五輪1500メートル8位入賞の田中希実(兵庫・西脇工高出身)は、新入社員371人の1人として豊田自動織機(愛知県刈谷市)の入社式に出席。その後会見し、「より手厚いサポートを受けることができ、目標とする世界で活躍する選手に一歩近づけたのではないか」と実業団選手としての思いを語った。
色紙に書いた抱負は「流れにまかせる」。最近、ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」を読んで感銘を受け、経験することの大切さを感じたという。世界で勝負するため「こうしなければならないという正解はない。その時々にやりたい方に向かうのがいいのでは」と話し、7月の世界選手権、9月のアジア大会も種目を絞らず挑戦していく覚悟を示した。
大学2年時から同社のサポートを受け、同じ兵庫県小野市出身で北京五輪に出場した小林祐梨子さんが所属していたこともあり、縁を感じている。引き続き練習拠点は兵庫に置くが、「勝利に向かって団結して走る雰囲気を感じたい」と駅伝にも意欲をみせた。(今福寛子)