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笑顔で優勝カップを手にする蟬川泰果=23日午後、三木市の三甲ゴルフ俱楽部ジャパンコース(撮影・坂部計介)
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笑顔で優勝カップを手にする蟬川泰果=23日午後、三木市の三甲ゴルフ俱楽部ジャパンコース(撮影・坂部計介)

 兵庫県三木市の三甲ゴルフ倶楽部ジャパンコースで23日に最終日を迎えたゴルフの日本オープン選手権で、95年ぶりのアマチュア優勝を果たした加東市出身の蟬川泰果(21)=東北福祉大。「タイガー・ウッズのような選手になれるよう頑張りたい」。実家に近い会場で歴史的快挙を成し遂げ、さらなる高みを見据える姿に、地元兵庫の関係者らの喜びもひとしおだ。

 「感無量」。兵庫教育大付属小の低学年の頃から蟬川を知る加東市ゴルフ協会副会長の土肥昭彦さん(56)はテレビ中継で優勝の瞬間を見守り「まちを挙げてジュニア育成に取り組んできたので本当にうれしい」と声を弾ませた。

 同協会は年2回、ジュニア大会を開催。蟬川は第1回大会から出場し、小学5、6年時には3連覇を果たした。当時から「飛ばし屋」で、身長140センチ台ながらドライバーの飛距離は200ヤードを超えたという。

 海外のジュニア大会にも出場した同付属中時代からは、かつて渋野日向子選手も利用した小野市の「樫山ゴルフランド」を拠点に。今も帰省の際には顔を見せるといい、フロント担当の藤川唯さん(23)は「いつも愛想のいい子。樫山でうまくなった子が快挙を達成しうれしい。世界に羽ばたくゴルファーになって」。

 大阪・興国高へ進んだ後も、関西ゴルフ連盟が取り組むジュニア強化チームの一員として、月に1度は小野市や宝塚市のゴルフ場で汗を流した。同連盟ジュニア委員会副委員長で、兵庫県ゴルフ連盟の佐野陽一副会長(68)は、高校時代の蟬川を「まだ体の線が細く、優勝が懸かった肝心なところで崩れてしまうことも多かった」と懐かしむ。

 蟬川は9月のパナソニック・オープンでアマ優勝を達成。10月上旬の栃木国体で顔を合わせた際に「少しですけどうまくなったと思います」と優勝報告を受けたといい、佐野さんは「あの優勝が自信になっている」と成長ぶりを喜ぶ。

 幼少期からの努力は大学4年になり花開いた。大学ゴルフ部の2年後輩で、神戸市西区出身の橋本美月選手(20)は、大学の試合を控えてバス移動する最中に中継を見守り「最後まで蟬川さんのスタイルの攻めの姿勢を貫き、すごい」と驚嘆。優勝直後から部員のLINE(ライン)のグループは祝福メッセージであふれた。

 2人は本年度から共にナショナルチーム入りした仲。橋本選手は「私生活から考え方がポジティブ。後輩にも前向きな言葉をかけてくれる」と蟬川を慕い、「私も強気なところを見習ってプレーしたい」と刺激を受けた様子だった。(岩崎昂志、杉山雅崇、尾藤央一、長江優咲)

      ◇     

 この日の蟬川のキャディーは、小学生の頃から親交がある関西学院大ゴルフ部の石過龍次郎さん(22)。ミスをしても明るく声をかけ続け好プレーを引き出し「初タッグで優勝できた」と感激の面持ち。蟬川も「いろんな人の力があってのこと」という中で真っ先に名を挙げ、感謝を伝えた。

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