「まさか」-。3度目の選出が予想されていた神戸の大迫勇也の名は、最後まで呼ばれなかった。会見が予定されていた本拠地ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)には25社約50人の報道陣が詰めかけたが、急きょ中止に。大迫本人は姿を見せなかった。
前回のロシア大会ではエースとして君臨し、国際Aマッチ57試合出場25得点と実績は随一。相次ぐけがの影響で3月から代表を離れていたが、神戸で戦列復帰した9月以降は5試合3得点と復調をアピールし、神戸をJ1残留に導いた。これまでの取材で多くは語ってこなかったものの、「W杯は僕の中では大きな大会」と日の丸への強い思いを明かしていた。
FWには前回W杯の経験者が一人もいない。森保一監督はメンバー選考の際に議論のポイントになったと明かし「経験者の力を借りて戦いたいという気持ちはまだまだある」と漏らしたが、「経験がない選手の野心に期待した」と非情な決断を下した。
昨夏まで3年間神戸で活躍し、セルティックに羽ばたいた古橋亨梧(27)も涙をのんだ。大迫の記念グッズ販売などを予定していた神戸のクラブ関係者は落胆を隠せず、サポーターにとっても無念の一日となってしまった。(山本哲志)