体操女子で五輪2大会に出場した杉原愛子さん(23)が来年4月から、武庫川女大の強化コーチに就任することが16日、発表された。現在、同大学の短期大学部健康・スポーツ学科に通う2年生。同日、兵庫県西宮市の同大学で会見した杉原さんは「五輪選手を育てたい。新しい『杉原愛子』をお見せできるよう頑張りたい」と決意を語った。
大阪府出身の杉原さんは、2016年のリオデジャネイロ五輪で日本の48年ぶりとなる団体総合4位、昨年の東京五輪では団体総合5位に貢献。今年6月の大会を最後に第一線を退き、以降は体操部の学生コーチとして後輩のサポートに尽力してきた。
「競技者ではなく演技者」として体操の普及活動にも励みながら、中高生の育成に携わる予定。同大学は中学から大学まで計10年間での一貫した指導や、学生アスリートの卒業後のキャリア形成にも力を入れており、坂井和明スポーツセンター長は「一貫指導の連係をさらに強化し、女性コーチが女性アスリートを指導する時代をリードしたい」と語った。
杉原さんは「成長期の体重維持や生理など、女性特有の問題も経験を生かしながら指導したい。自分がロールモデルとなり、体操をもっとメジャースポーツにしていきたい」とトレードマークの笑顔で意気込んだ。
恩師でもある体操部の大野和邦監督は「五輪に2度出場した彼女の言葉には100%の信憑性があり、けがの大変さが見えないぐらい楽しんで練習してきた経験を広めてくれるはず」と期待した。(長江優咲)