入団会見に同席し、元スペイン代表フアン・マタ(左)の通訳を務めるサンティ・フェランさん(中央)=2023年9月、ノエビアスタジアム神戸
入団会見に同席し、元スペイン代表フアン・マタ(左)の通訳を務めるサンティ・フェランさん(中央)=2023年9月、ノエビアスタジアム神戸

 J1ヴィッセル神戸に昨年9月に加入し、昨季限りで退団した元スペイン代表フアン・マタ。イングランド・プレミアリーグのチェルシーなどのビッグクラブで活躍した実績を持つが、神戸では出場1試合、わずか10分のプレーに終わった。しかし、通訳として接したサンティ・フェランさん(33)は、数字には表れない陰の貢献があったと証言する。J1初優勝へチームを後押ししたある出来事を教えてくれた。(尾藤央一、有島弘記)

 2023年9月29日、敵地で行われた横浜Mとの首位攻防戦でも、マタの出番はなかった。神戸に入団して3試合目。「(試合に)使ってもらえないなと感じたと思う」とサンティさんはマタの様子を気にしていた。

 すると、マタから「ちょっとメッセージを送りたい」と通訳を頼まれた。チームのグループメッセージに「みんなよくやった。これからも頑張っていこう」。マタは理由について「俺はこのチームに貢献するために来た。今このチームに必要なのは、プラスの要素をもたらすこと。ピッチ外からもそれはできる」と説明したという。