要請書を手渡す「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の井上洋子共同代表(中央)=9日午後、東京・永田町の参院議員会館
 要請書を手渡す「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の井上洋子共同代表(中央)=9日午後、東京・永田町の参院議員会館

 戦時中に朝鮮人を含む183人が犠牲になった山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」について、8月に潜水調査で人骨を回収した民間団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が国会内で9日、早期の身元の特定や潜水調査の支援を関係省庁に要請した。刻む会と政府の意見交換は人骨が発見されてから初めて。

 警察庁担当者は、山口県警が保管している人骨について、現時点でDNA鑑定を行っていないと説明。鑑定に用いる試料を入手できるかどうかで実施の可否を判断したいとした。

 刻む会によると、同会と韓国政府が一部遺族のDNAデータを保有。韓国政府への対応を外務省担当者は「警察庁の情報を踏まえ、意思疎通を図りたい」と述べた。