神戸商工会議所の川崎博也会頭(神戸製鋼所特任顧問)は8日の会見で、セ・リーグ優勝を果たしたプロ野球・阪神タイガースのパレード実施について「神戸商工会議所として『やろう』という申し入れはしない。どなたかがやりたいと言えば考えさせてもらう」と慎重な姿勢を示した。
川崎氏は阪神の優勝を「優勝セールで消費が拡大する。神戸や兵庫にとって非常にポジティブ」と喜んだ。その上で「パレードは大阪の経済界も関わること。相談する場はあると思うが、私の立場でやりたいとは言わない」と述べた。
阪神とオリックスが優勝した2023年には、神戸と大阪でパレードを実施。6億円超の事業費はクラウドファンディングの寄付や企業協賛金で賄った。
兵庫県の斎藤元彦知事を巡る告発文書問題では、金融機関に対して開催費の協賛金を求める見返りに、補助金を増額するキックバックがあったと指摘された。今年3月に公表された第三者調査委員会は「(指摘内容は)認められなかった」と否定している。
斎藤知事は8月末の会見で、今年のパレード実施について「警備費の高騰などを踏まえると、慎重に検討する必要がある」との見方を示した。(横田良平)
■パレード、斎藤知事が改めて「難しい面がある」
兵庫県の斎藤元彦知事は8日、優勝記念パレードの県内開催について取材に応じ、「物価高騰などを考えると難しい面がある」と述べ、改めて慎重な姿勢を示した。
斎藤知事は「阪神・淡路大震災から30年という節目に輝かしい成果を挙げられたことは県民としても大変うれしい」と祝辞を表明。その上で、大阪府の吉村洋文知事が言及した優勝パレードに関し、「大阪から具体的な話は聞いていないが、兵庫県としては警備費用や物価高騰の状況を考えると慎重に検討する必要がある」と述べるにとどめた。
また「祝意の伝え方はさまざま」として、2年前と同様に「県スポーツ賞」の特別賞を授与する考えを示した。(前川茂之、井上太郎)