コロナワクチン接種後の感染リスク分析
 コロナワクチン接種後の感染リスク分析

 名古屋大などのチームは、新型コロナウイルスのワクチン接種による抗体の増減を解析した結果、抗体が100日持続せず、接種後の「ブレークスルー感染」をしやすい集団があることが分かったと17日付米医学誌に発表した。リスクが高い集団が特定できれば、適切なタイミングで優先して接種することで、変異株の感染拡大防止や重症患者の抑制につながると期待される。

 チームを主導した岩見真吾・名古屋大教授(数理科学)は「この解析手法はさまざまな種類のワクチンに応用できる。将来の世界的大流行で効率的な感染症対策に貢献するだろう」と話した。

 チームは一般住民のコロナワクチン接種が始まった2021年4月~22年11月、福島県在住の約2500人のデータを収集し、人工知能(AI)でワクチン接種後の抗体の増減を解析した。

 その結果、追加接種後の血中に抗体の免疫グロブリンGが多く長期間残る「耐久型」、抗体が少なく減少が早い「脆弱型」、抗体は多いが早期に減少する「急速低下型」の三つの特徴的なパターンがあることが分かった。