神戸地方検察庁=神戸市中央区橘通1
神戸地方検察庁=神戸市中央区橘通1

 昨年11月の兵庫県知事選で、再選された斎藤元彦知事が選挙運動の見返りにPR会社(西宮市)に報酬を支払ったとして、公選法違反(買収、被買収)の疑いで斎藤知事と会社社長が告発された問題で、告発者で元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士らが17日までに、同法違反(利害誘導)容疑の告発状を追加で神戸地検に送付したことが分かった。告発状は5日付。

 追加の告発状では、斎藤知事が、支援者からボランティアとして紹介された社長について、選挙運動をする可能性があると認識しながら、PR会社にポスター制作などの業務を発注。社長を選挙運動に誘導したと主張している。

 知事選後、斎藤知事側がポスター制作費など5項目の業務の対価として71万5千円を会社側に支払ったことが判明。社長は広報全般を企画・立案し活動する「選挙運動者」だったとして、郷原弁護士らが昨年12月に刑事告発していた。県警は今年6月、公選法違反容疑で2人の捜査書類を神戸地検に送付した。

 斎藤知事や代理人弁護士はこれまで、会社側に支払ったのは公選法で認められた業務の対価だと説明。社長による応援アカウントの取得や動画撮影などは「社長個人のボランティア」と違法性を否定している。