クマに襲われたとみられる従業員が行方不明になった温泉旅館「瀬美温泉」で、捜索の準備をする警察官と猟友会のメンバー=17日午前、岩手県北上市
 クマに襲われたとみられる従業員が行方不明になった温泉旅館「瀬美温泉」で、捜索の準備をする警察官と猟友会のメンバー=17日午前、岩手県北上市

 岩手県北上市の温泉旅館でクマに襲われたとみられる男性従業員が行方不明になった事故で、県警が17日午前、現場周辺を捜索中に遺体を発見した。成人男性とみられ、体格などが不明となっている笹崎勝巳さん(60)に似ているといい、身元の確認を急ぐ。地元の猟友会のメンバーが近くにいたツキノワグマ1頭を駆除した。

 県警によると、遺体は17日午前9時ごろ、行方不明になっていた露天風呂の北西約50メートルの雑木林内で見つかった。発見時クマは近くにおり、捜索隊に気がついて逃げようとしたところを撃った。

 17日朝から警察官と猟友会のメンバーで捜索を再開していた。

 付近では今月8日にも、クマに襲われたとみられる男性(73)の遺体が見つかっており、市は17日、対策会議を開いて対応を協議した。

 県警によると、16日午前、北上市の温泉旅館「瀬美温泉」から「浴場を清掃していた従業員が見当たらない」と通報があった。笹崎さんの姿がなく、露天風呂の周辺には血痕が、柵には動物のものとみられる毛が見つかった。柵を隔てた崖には清掃用具が落ちていた。