脳の中にたまった「アミロイドベータ」(中央の二つのだ円形部分)(東京大薬学部提供)
 脳の中にたまった「アミロイドベータ」(中央の二つのだ円形部分)(東京大薬学部提供)

 検査薬メーカー「富士レビオ」が、血液でアルツハイマー病を診断する検査薬の承認を、年内にも厚生労働省に申請することが分かった。親会社の富士レビオ・ホールディングスは4日「血液検査は、体への負担が少なく、簡便に行えるというメリットがある。早期に国内の承認申請を進めたい」とのコメントを出した。早い段階での診断や治療につながる可能性がある。

 アルツハイマー病では、脳内に「アミロイドベータ」や「タウ」といったタンパク質がたまり神経細胞が壊れ、認知機能が低下するとされる。富士レビオの検査薬は、血漿中にある二つのタンパク質の量を測定し、その比率を基に、アミロイドベータが蓄積しているかどうかを評価する。

 現在は、アミロイドベータの蓄積を、陽電子放射断層撮影(PET)や脳脊髄液の検査などで判断しており、身体面や費用面での患者の負担が大きい。

 米食品医薬品局(FDA)は5月、既に症状が出たり、病気の兆候があったりする人を対象に、この検査薬を承認した。