選択的夫婦別姓制度の導入がなかなか見通せない現状に、当事者らの間には落胆が広がる。高市政権は「旧姓の通称使用法制化」を打ち出す。これに対し、女性医師や研究者は「結婚できない要因はなくならない」「研究業績の不利益は残ったまま」と不満を漏らす。
「別姓が実現しないことで、引き裂かれた家族もいると知ってほしい」。旧家の出という東京都内の産婦人科医吉形玲美さん(52)は男兄弟がおらず、結婚による改姓に反対した父と絶縁状態に陥った。父はその後、がんで他界。以前は定期的に会っており「寄り添えない間に命が奪われた。医師として一生背負う十字架だ」と話す。
改姓で業務実績の継続性が失われるだけでなく、「家族の歴史が自分で途切れる喪失感」があった。
東京女子医大の同窓会長斎藤麗子医師は、女性は一般的に「結婚や再婚、離婚で改姓するたび、医師免許などの登録名が変わる」と不利益の大きさを強調する。伝統的家族観を理由に反対する政治家に対し「キャリアを築く女性が結婚をためらい、それが少子化にもつながるということを認識してほしい」と求めた。























