上智大生殺害事件から30年となるのを前に、取材に応じる三浦史雄さん=8月、東京都立川市
 上智大生殺害事件から30年となるのを前に、取材に応じる三浦史雄さん=8月、東京都立川市

 東京都葛飾区で1996年、上智大4年小林順子さん=当時(21)=が自宅で殺害、放火された事件は、未解決のまま9日で発生30年となる。当初現場に駆けつけ、その後は警視庁の刑事部幹部などとして捜査に携わった三浦史雄さん(60)は今夏、第8方面本部長を最後に退官した。「遺族のためにも絶対に解決を」。犯人とみられる男のDNA型が分かっているのに、たどり着けなかった無念さ。思いは後輩に託した。

 発生当時は殺人事件を扱う捜査1課で研修中だった。現場には焼け焦げた臭いが漂い、消防や報道陣で騒然としていた。作業服姿で現場検証に加わり、焼け跡の残留物を土のう袋に詰め、一つ一つ水洗いして証拠品を探した。「これだけ徹底的に調べれば捕まるはずだ」。漠然とした期待は、いまだかなっていない。

 2015年に捜査本部がある亀有署の副署長に就いた。前年の再鑑定で小林さんの布団の血液から男のDNA型が新たに検出されていた。既に確認されていたものとも合い、「捜査員の執念」を感じた三浦さん。署員には「別件の容疑者の中にも一致する人物がいる可能性がある」と予断を排した捜査を指示した。