サッカーのJリーグは開幕時期を現行の2月から8月に変更し、冬季中断期間を経て翌年5月最終週ごろに閉幕する「秋春制」に移行する。2026~27年のシーズンから実施する。
欧州主要リーグと時期を合わせることで選手の移籍を円滑にするほか、高温多湿や猛暑下での試合を減らすことで選手のパフォーマンス向上が見込めるという。23年に創設30周年を迎えたJリーグの「世界基準」への新たな挑戦に期待したい。
移行を巡っては以前から議論されてきたが、実現には至らなかった。冬場の試合開催に、降雪地域に本拠を置くクラブを中心に反対が強かったためだ。
今回議論が進んだのは、外部環境の変化がある。アジアのクラブ王者を決めるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が23年から秋開幕、5月閉幕に日程が変更された。ACLを勝ち上がることで海外からの注目を集めたいJリーグは対応を迫られることになった。
また、Jリーグは各クラブに対し、J1選手の月別の「総走行距離」「時速20キロ以上の高強度走行距離」などを欧州リーグと比較したデータを提示した。
それによると、欧州リーグの選手の月別走行距離は秋の開幕時から上昇して終盤に低下する「山型」のカーブを描く。これに対し、J1の選手は梅雨時から夏場にかけて数値が下がる「谷型」となっていた。
昨年12月のJリーグ実行委員会ではJ1~3の全60クラブに移行の賛否を問い、52クラブから賛同を得た。猛暑下の試合を減らすことで、選手のプレーの質が低下することを抑える移行案の利点に、各クラブが理解を示したと言える。
一方、実行委でJ1アルビレックス新潟が反対票を投じるなど、降雪地域のクラブからは冬季の練習環境など運営面の課題が指摘されている。
Jリーグは降雪地域のスタジアム対応や練習環境の整備、各クラブのキャンプ費用の支援などに約100億円を拠出する考えを示しているが、十分とは言い難い。
より多くのクラブが移行のメリットを享受できるよう、Jリーグは今後も対話を重ね、課題解決に努めてもらいたい。

























