能登半島地震の発生から2年が経過した。元日を襲った激しい揺れは石川県で最大震度7を観測し、富山、新潟を含む3県でこれまでに約700人が亡くなった。同じ年の9月には未曽有の豪雨が追い打ちをかけた。復興は道半ばだ。被災した人々が安心して暮らせる環境を取り戻せるよう、息長く支援を続けたい。
被災地ではこの2年で避難所は解消され、建物の公費解体もほぼ終了した。大規模火災で焼失した石川県輪島市の朝市通り周辺では土地区画整理事業も始まる見込みだ。
一方、民間の賃貸住宅を活用した「みなし仮設住宅」を含め、約1万8千人が仮設生活を続ける。仮設住宅の入居期限は原則2年以内だが、石川県の意向調査では回答した世帯の8割強が延長を希望したという。建築費の高騰などで自宅再建のめどが立たない人もいる。災害公営住宅の完成は早くても今年6月ごろの見通しだ。みなし仮設住宅の入居期限延長が求められる。
長引く避難生活で体調を崩すなどして亡くなる災害関連死は470人に上り、建物の倒壊などによる「直接死」の228人の2倍を超えた。関連死の大半が高齢者だ。審査待ちの遺族も多い。これ以上の犠牲を出さないためにも、行政や医療、福祉が連携して被災者をきめ細かくケアすることが欠かせない。
生活再建が停滞する中、地域外への人口流出が止まらない。被害が甚大だった輪島市や珠洲(すず)市など奥能登の6市町では昨年11月1日時点で、地震が起きた2024年元日から計約1万1千人減少している。
地域のつながりや産業、教育、介護サービスの維持に懸念が強まる。高齢化と過疎化も加速し、職場の確保など定住を後押しするとともに、特定の地域と関わり続ける関係人口を増やすなどの持続可能なまちづくりに向けた施策が重要となる。
災害対応を担う自治体職員も同様だ。輪島、珠洲両市と能登町の職員数は地震発生時と比べ1割減った。業務の負担増が背景にあるとみられる。全国の自治体からの応援職員に加え、経験者を再び採用する制度の導入など担い手確保に懸命になっている。応援態勢の継続が必要だ。
なりわいの再生も急がれる。日本有数の温泉地、和倉温泉(七尾市)では営業を再開した旅館・ホテルは半数に満たない。農林水産業や酒蔵の復興も十分ではない。企業の実情に応じた柔軟な支援を心がけたい。
今年1月6日には鳥取県と島根県で震度5強の地震があった。私たちはさまざまな災害の間「災間」を生きている。能登に心を寄せながら、家庭や地域でも備蓄品の点検など防災・減災の取り組みを進めたい。























