フランスが議長国を務めた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、米国とイランが戦闘終結の覚書で合意したことを受け、情勢安定化に向けた協力と、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援を盛り込んだ共同声明を出して日程を終えた。
戦闘終結の合意はサミットの開幕直前だった。トランプ米政権は何としても間に合わせたかったはずだ。共同声明には、フランスと英国の主導で準備が進む機雷除去や商船保護などの活動がホルムズ海峡の航行再開に「重要な役割を果たす」と記された。日本政府は自衛隊を派遣するかどうかの検討に入った。
サミットに合わせるかのように、米国とイランは覚書に正式署名した。14項目からなる合意内容が着実に履行されれば、事態打開への大きな一歩となる。しかし、この先に控えるイランの核開発制限を巡る交渉は相当困難なものになるだろう。米国とともにイランを攻撃したイスラエルの動向も懸念される。
最終的な解決につなげるには、サミット加盟国が国際社会と連携して米国とイランの協議を側面支援することが欠かせない。日本は伝統的にイランとの友好関係を維持してきたが、存在感は薄い。両国への働きかけを強めるべきだ。
ウクライナ情勢を巡り、停戦に応じさせるようロシアへの経済制裁を強化する方針で一致した。アジア地域では、中国を念頭に台湾海峡における力による一方的な現状変更の試みに反対すると再確認し、北朝鮮の完全な非核化を追求するとした。いずれも評価できる。
危機的な状況下で、民主主義を共有する先進国がいかに共同歩調を取れるのか。この点がかつてないほど問われたサミットだった。国際協調に背を向けるトランプ氏への加盟国の不信感は強い。一方、米国はイラン攻撃を支援しなかった欧州や日本への不満を隠さない。
一定の結束は示せたものの、米欧の溝は埋まらず、G7の存在意義が揺らぎかねない事態は変わらない。2年連続で包括的な首脳宣言を取りまとめることができなかった。地球温暖化などの重要課題が議題にならなかったのは極めて残念だ。
G7の枠組みを維持し、国際社会の安定に貢献する重要性を、いま一度確認したい。米国を多国間協調のテーブルに戻すために粘り強い努力が求められる。フランスが韓国やインド、ブラジルなどを拡大会合に招いて協力関係をアピールしたのも、そうした狙いがあろう。
日本は、中東に加え、インド太平洋地域の同志国と連携を深めつつ、米欧との橋渡し役として外交力を発揮する必要がある。























