先月から全国各地で記録的豪雨による災害が頻発している。8月に千葉県や北陸3県を豪雨が襲ったのに続き、9月に入っても台風25号による大雨が千葉県などに甚大な被害をもたらした。特に道路冠水による車の水没被害が深刻だ。想定を超える豪雨はいつどこでも起こり得るとの前提に立ち、国や自治体は被害防止への対策を急ぐ必要がある。
8月13日の千葉豪雨では、雨量が排水能力を超えて地表にあふれ出す「内水氾濫」が起き、冠水する車が相次いだ。鉄道の線路や道路の下を通る「アンダーパス」では、車が水没し運転していた40代男性が死亡した。9月7日には福島県いわき市でも60代女性が犠牲になった。
アンダーパスは構造上、急激に道路の高さが前後よりも低くなる。雨水がたまりやすく、短時間で冠水する恐れがある。車は30センチ程度の水深でもエンジンが停止することもある。濁った水は深さが分かりにくい。運転手が通れると思って進入し、身動きが取れなくなったところで水位が上昇すれば水圧でドアや窓が開かなくなる。強引な通行は避けたい。
国や自治体が管理するアンダーパスは全国に3800カ所超あり、兵庫県は全国で3番目に多い188カ所ある。国土交通省は千葉の冠水事故を受け、大雨が予想される場合にアンダーパスを予防的に通行止めとする規制を全国7カ所の国道で導入した。その後9府県15カ所を追加したほか、今後も対象を順次拡大していく方針だ。兵庫県内は含まれていないが、県も警報発令時などは進入しないよう呼びかけている。
通行止めは、レベル4大雨危険警報が発表されたり、国道事務所や警察が冠水の可能性があると判断したりした場合に、看板やバリケードなどを設置して実施する。ドライバーや地域住民への規制情報の提供と確実な周知が欠かせない。
同時に冠水センサーや水位計を活用し、一定の水位を検知すると入り口で自動的に膨らむエアー遮断機の導入など最新技術を取り入れた安全対策を強化すべきだ。大容量ポンプへの更新など災害の激甚化に対応する排水機能の改善も急がれる。
豪雨被害の恐れがあれば、車での無理な外出は控えるなど住民にも自衛意識が求められる。冠水想定箇所が分かる国交省のホームページ「道路防災情報WEBマップ」もチェックしたい。もし運転中に水が迫ってきたら、ドアが開かなくなる前に車を止めて避難する。車に閉じ込められた場合に備え、車内に脱出用のハンマーなどを準備しておこう。
秋雨前線や台風の影響で、各地で大雨の恐れがある。引き続き警戒を怠らないようにしたい。























