『ブギウギ』(NHK総合)第17週「ほんまに離れとうない」では、スズ子(趣里)が愛助(水上恒司)との結婚を諦めるか、歌手を辞めるかという究極の選択を迫られている。本日1月23日放送の78話では、「愛助さんと家族になれるんやったら、辞めてもええような気がしてきましたわ」と思わずこぼしたスズ子だったが、「それは芸能界の損失や。ちゃうわ、日本の損失や」と愛助に猛反対される。しかしそうは言ってみたものの、「歌手をしてないワテが自分で想像もつきまへん」と、偽らざる気持ちも露わにした。
次のシーンでスズ子は、台所に立ち「ラッパと娘」を口ずさみながら夕飯の支度をしている。徐々に乗ってきて踊りながら、包丁でリズムを刻み、すりこぎをマイク代わりにして歌う。スズ子にとっての「歌」が生活に染み込んでいることが伝わるこのシーンの撮影秘話を、制作統括の福岡利武さんに聞いた。
■やっぱりスズ子と歌は切り離せない
「17週は、珍しくスズ子の歌のステージがないんです。それを演出の泉並(※編註 今週の演出を担当する泉並敬眞さん)が気にしていました。愛助と結婚するには『歌手を辞めるしかない』と一度は言ったけれど、やっぱりスズ子と歌は切り離せない。本当に音楽がスズ子の生活の中に溶け込んでいるんだということが、よく表れたシーンになったと思います。台本には『夕飯の支度をしながら「ラッパと娘」を口ずさむスズ子』と書かれているのですが、泉並がそれを掘り下げて、アイデアを出してくれました。『本当に歌を辞めていいのか』というスズ子の自問自答と、そうは言っても自然と体が歌に反応してしまうスズ子の『性』が出ていますよね」
■音楽担当の服部隆之も大絶賛…音効スタッフによる撮り下ろし劇伴
さらに、スズ子の歌と踊りに合わせて、劇伴もこのシーンのために新たに撮り下ろしたのだという。
「音楽を担当していただいている服部隆之さんに相談して、音効スタッフの伊東(※編註 音響効果の伊東俊平さん)が、日常生活のいろんな音で作った劇伴を作ってくれました。鍋の湯気の音や、茶碗と箸が触れる音、食事の音なども入っています。服部さんも大絶賛でした」
「僕はやっぱり、君に歌手を辞めてもらいたくないんだ」と、恩師である羽鳥(草彅剛)からも説得されたスズ子。78話のラストシーンでは再び愛助が喀血してしまった。スズ子は、どんな答えを出すのだろうか。
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『ブギウギ』
【出演】趣里 水上恒司/草彅剛 蒼井優 菊地凛子 生瀬勝久 小雪 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【脚本】足立紳 櫻井剛
【音楽】服部隆之
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
【放送時間】
▽NHK総合
毎週月曜~土曜 前8:00~8:15/(再)後0:45~1:00(※土曜は一週間を振り返り)
毎週日曜(再)前11:00~11:15
翌・月曜(再)前4:45~5:00(※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送)
▽NHK BS・NHK BSプレミアム4K
毎週月曜~金曜 前7:30~7:45
毎週土曜(再)前9:25~10:40(※月曜~金曜分を一挙放送)
(まいどなニュース特約・佐野 華英)