麺屋はやぶさは愛知県に実在するラーメン店。なぜロゴが遠い異国でミーム化したのか…(※三井昌志さんがパキスタンで撮影)
麺屋はやぶさは愛知県に実在するラーメン店。なぜロゴが遠い異国でミーム化したのか…(※三井昌志さんがパキスタンで撮影)

アジア各国を走る"謎の日本語自動車"がSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは

「パキスタンを走る『謎の日本語自動車』の中でも、圧倒的な頻度で目にするのが『麺屋はやぶさ』だ。このロゴだけがミーム化しているのだ。ちなみに『麺屋はやぶさ』は愛知県に実在するラーメン店だが、オーナーさんもなぜパキスタンで流行しているのかわからないという。」

と写真家の三井昌志さん(@MitsuiMasashi)が紹介した現地の様子。

三井さんによるとパキスタンやミャンマーのドライバー達は、実在の日本企業のロゴやキャッチコピーをさまざまに組み合わせて車にペイントしているそう。言葉としては意味が通らないものも多いが、感じるところのある絶妙なセンスを感じるものばかりだ。

三井さんにお話を聞いたところ

「ミャンマーでもパキスタンでも、「俺の車は日本の優秀な中古車だぜ」というアピールから始まっているようです。実際に日本の中古商用車を輸入した際に、貼られていたロゴステッカーをそのまま残して走っていた。それがいつのまにか『日本語ロゴ自体がクールじゃねぇ?』ということになって、ある特定のロゴだけがコピーされて他の車に貼られるようになったわけです。
その後さらにいくつかのロゴを組み合わせたり、あるいは自分たちで適当に手書きしちゃったりして、独自の進化を遂げるようになり、新しい文化が登場したわけです。
実際のところ、今ではホンダもトヨタもパキスタン国内に工場を持っていますから、新車を手に入れることも可能なのです。それでも日本から輸入された中古車の需要はまだ非常に高いと聞いています。それはカローラやハイエースなど同じ車種であっても、パキスタン国内の工場で作られた車よりも、日本製の方が品質が良いからなんだそうです」

ということだった。

SNSユーザー達から

「777から始まる電話番号は『麺屋はやぶさ』のものではない様ですし、三枚目の写真のは漢字が上下逆だし、本当に謎ですね…。」
「日本の中古車はお買い得という信仰があるので、わざわざ日本語の会社名を書いたりするみたいですね。 これは日本語を忠実に再現していますが、天地逆になったのはなぜだろう?」
「しかし正確にフォント使ってるなぁ。意味も分からないだろうに」
「これって向こうに渡った中古車とかに書いてあった文字を見かけたりして、現地の人が語感だけで組み合わせたりしてるんやろなぁ 趣深い…」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。今後この文化がどのように進化を遂げるか気になるところだ。

なお今回の話題を提供してくれた三井さんは本業はドキュメンタリー写真家。パキスタンやミャンマーで働く人々の姿を温かな目線で切り抜いている。ご興味ある方はぜひ公式ウェブサイト「TABISORA」をご覧いただきたい。

三井昌志さんプロフィール

写真家。アジアの辺境をバイクで旅しながら「笑顔」と「働く人」をテーマに撮影を続けている。2025年3月には通算11回目となるインド一周バイク旅を行う。著作は「渋イケメンの国」「Colorful Life」「アジアの瞳」など11冊。日経ナショナルジオグラフィック写真賞2018グランプリ受賞。
Xアカウント:https://x.com/MitsuiMasashi
TABISORA:https://tabisora.com/

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)