令和6年度第2回消費生活意識調査によると、食品ロス問題を「知っている」と回答し、かつ食品ロスを減らすための取り組みを行っている人は全体の74.9%でした。買いすぎない、食べきる、保存方法を工夫するなど、日々の暮らしの中で意識している人が多いことがうかがえます。
一方で、家庭の食卓では「もったいない」をめぐる感覚の違いが、思わぬモヤモヤにつながることもあるようです。都内在住の会社員・F美さん(30代)は、食事の準備中に夫が見せた「ある行動」に、言葉を失ったといいます。
「うちの夫は、悪い人ではないんです。むしろ普段は優しいんですが…」
■床に落ちたおかず、どうする…?
ある日の夕食、F美さんと夫がキッチンで食事を用意していたときのこと。夫がおかずを取り分けている最中、ポロッと床に落としてしまいました。ここまでは、よくある事故。問題は、その次でした。
「夫が落としたおかずを拾って、何事もなかったみたいに私の皿に戻したんです。もう私、びっくりしてしまって…反射的に夫に向かっていきました」
F美さんが「見てたぞ!」と指摘すると、夫はこう返してきたそうです。
「いや、深い意味はないって!キッチンの床、ちゃんと掃除してるし、ホコリもついてないの確認したし…」
--いや、意味はある。絶対にある。F美さんは心の中で即ツッコミを入れたといいます。
「私の感覚では、落ちたおかずは『自分の皿』に戻すはずなんですよ。床に落ちてしまったおかずを、食べると判断したのは自分ですよね。なぜ私の皿なのか。そこには、おかずを捨てたくはないけど自分では食べたくない、という意思が透けて見えるんです」
もちろんF美さんも、家庭内で大ゲンカにしたいわけではありません。ただ、衛生面は気になる。何より「バレないでしょ」という《しれっと感》が妙に腹立たしいのだとか。
■この夫、また新たな事件を起こす…
夫の「思わずツッコミたくなる行動」は、これだけでは終わりません。
別の日、作ったおかずを取り分ける夫の箸の動きに違和感を覚えたF美さん。よく見ると、夫がいったん自分の皿に置いたエビを、そっとF美さんの皿へ移し替えていたのです。今度は落としてはいないが…よく見るとそれは、他のものより色が悪いエビでした。
こいつ…またやりやがったな…。F美さんは取り箸でエビをつまみ、にっこりしながら夫の皿へ戻しました。
「私、エビ好きじゃないから食べて」
夫は一瞬フリーズし、「えっ」と小さく声を漏らしたそうです。
その後、夫は無言でエビを完食し、以降はおかずの「意思のある取り分け」は見かけなくなったといいます。
■食卓には、性格が出る
F美さんは言います。
「夫に悪意があるって決めつけるのは違うと思うんです。でも、『自分がイヤなものを人に回すクセ』って、たぶん無意識に出るんですよね」
家族相手では距離が近いぶん、遠慮も薄くなります。落ちたおかず、色の悪いエビ。どれも些細な話なのに、積み重なると「私って、そういう食材の処理係なの?」とモヤモヤしてしまうのもわかります。
ただ一方で、F美さんはこうも話していました。
「夫はきっと悪意ではなく、食べ物がもったいない…という気持ちでやってるんだと思うんです。だからこそ、笑いながら『それやめてね』って言える関係でいたいんです。些細なことで夫婦仲がギスギスするのが一番『もったいない』ので」
■小さな違和感を、言葉にできる関係へ
家族だからこそ言いにくいこと、家族だからこそ伝えたいことがあります。
食事は毎日のこと。だからこそ、ちょっとした気遣いが大きな安心につながります。
「他意はない」でも、「相手がどう感じるか」は別問題。
自分がされたらどう思うか。たったそれだけを想像できたら、食卓の空気はもう少し軽くなるのかもしれません。
今日の夕飯、もしあなたの皿に『不自然に乗せられたおかず』があったなら。それは愛情か、無意識か、それとも…。笑いながら確認できる家庭でありたいものですね。
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【出典】消費者庁
「令和6年度消費生活意識調査(第2回)」

























