神戸新聞NEXT
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 傘下組員のトラブルで賠償責任を負い、土地と建物が差し押さえられていた特定抗争指定暴力団神戸山口組・井上邦雄組長の自宅(神戸市北区)について、強制競売の入札が行われることが分かった。神戸地裁が24日、入札を公告した。売却基準価格は5199万円で、3月24日に開札される。売却先によっては井上組長は退去を迫られる。

 強制競売は、組長らに損害賠償を求めた東京のコンサルティング会社側が申し立て、地裁が昨年1月に手続きを開始していた。

 民事訴訟の一、二審判決によると、コンサル側は2020年、金融ブローカーから「資産家」として紹介された男に融資を依頼。金融ブローカーの債務を肩代わりすることが融資条件とされたため、指示通りに2億5千万円を送金した。しかし融資は行われず、返金も拒否されたという。

 「資産家」とされた男は、実際にはヤミ金業を営む神戸山口系組員(当時)だった。判決では、男が「何か文句あるんか」と組の威力を示してコンサル側を脅迫し、融資や返金を諦めさせたと認定。その上で井上組長に対し、暴力団対策法に基づく「代表者責任」があるとして、約2億7千万円を関係者3人と連帯して支払うよう命じていた。

 一方、組長宅を巡っては、神戸山口組を離脱し山口組に復帰した山健組の組長が「所有権は山健組にある」と主張し、両者の間で別の裁判になっていた。

 井上組長の賠償責任と、自宅の所有権が井上組長にあることが確定したのを受け、神戸地裁は中断していた競売の手続きを再開し、入札公告に至ったとみられる。