Aさん(30代女性)は現在育休中です。会社の福利厚生に大きな不満はないものの、今後は育児をしながら挑戦できる仕事へキャリアチェンジしたいと考えたことをきっかけに、転職活動を進めています。退職の意思は固まりつつあるものの、「復職せずに辞めて大丈夫だろうか」「いったん復帰してから退職した方がよいのか」と、悩んでいました。
さらに、退職のタイミングによって育児休業給付金や社会保険の扱いが変わると知り、「いつ辞めるのが適切なのか」と迷いが生じています。育休明けに復職せず退職することは、法律上問題はないのでしょうか。
また、退職時期による給付金や社会保険への影響について、社会保険労務士の小島朋子さんに話を聞きました。
■労働者には「退職の自由」が法律で定められている
ー育休明けに復職せず退職することは、法律上問題がありますか?
労働者には「退職の自由」が法律で定められています。退職予定日の2週間前に申し出れば問題ありません。(期間の定めのない雇用の場合(民法第627条第1項))
ー退職時期によって、雇用保険の育児休業給付金や社会保険の取り扱いに影響はありますか。
退職時期によって、育児休業給付金の受給範囲や社会保険料の有無が違ってきます。
まず育児休業給付金については、離職日までの期間が支給対象として取り扱われる仕組みが見直され、現在では離職日までが給付対象となっています。また、社会保険料の取り扱いについては、育児休業期間中に退職する場合は社会保険料免除中のため保険料はかかりません。
一方、育児休業から復帰した後に月末退職となる場合には、給与から社会保険料が控除されます。
ー復職して短期間で辞める場合と、復職せず退職する場合、企業側がおこなう労務手続きに違いはありますか。
復職される場合は育児休業終了届の提出が必要で、退職の場合は健康保険・厚生年金保険被保険者資格や雇用保険被保険者資格の喪失届の提出が必要です。また、復帰される方が社会保険に加入されている場合、事業主分の社会保険料負担が発生する場合があります。
ートラブルを避けるための退職の伝え方・タイミングがあれば教えてください。
退職を伝えるタイミングや伝え方には、人それぞれの事情があり、会社の状況や関係性によって最適な形は異なります。だからこそ、一律の正解はないと思います。
大切なのは、これまでお世話になった職場への配慮を忘れず、誠意を持って伝えることだと思います。できる範囲で早めに意向を共有したり、感謝の気持ちを添えたりすれば、円満な形で次のステップへ進みやすくなります。育児とキャリアの両立を考えたうえでの前向きな選択であることを、丁寧に伝えてはいかがでしょうか。
◆小島朋子(こじま ともこ) 社会保険労務士/社会保険労務士事務所ホライズン代表
千葉県を拠点に活動する社会保険労務士です。障害年金の代理請求を中心に、法人向けには労務に関する各種ご相談、給与計算業務や給与ソフトの導入・設定確認を承っております。会社と人との良好な関係を築くためのサポートをいたします。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
























