小学5年生の息子を育てるAさんは、息子の様子が春休み明けごろ変わったことに気づきました。それまで楽しそうに通っていた学校の話をしなくなり、朝になると「お腹が痛い」と訴える日が増えました。
心配になったAさんは病院で検査を受けましたが、異常は見つかりません。そのため、当初は「甘えているのではないか」と考え、「ママと途中まで一緒に行こう」と声をかけながら登校を促していました。
そんなある日、担任の先生から「クラス替え後の環境に戸惑っている様子です」と伝えられます。息子の変化をただ甘えたいだけと考えていたAさんは、この言葉にショックを受け「私の対応は間違っていたのではないか」と不安に駆られます。
新年度やクラス替えの時期は、子どもの環境が変わるタイミングです。小さな変化に戸惑いながらも、言葉にできない不安を抱えている子どもは少なくありません。では、子どもの様子の変化はどこまで見守るべきで、どの段階で対応を考えるべきなのでしょうか。スクールカウンセラーのまるさんに話を聞きました。
■「ただの甘え?」と見過ごしてしまう子どものサイン
ー子どもが学校に行きたがらない場合、どんなサインを出しますか?また、どの段階から注意すべきですか?
言葉で「学校に行きたくない」という子もいますが、今までの相談の中では腹痛や頭痛、気持ち悪さなどの身体症状を訴えて学校を休むケースがとても多かったです。
それ以外には、朝起きる時間が遅くなる、起きてきても学校に行く準備が進まない、表情が暗いといったサインが見られることもあります。
親から見て「いつもと違う」と感じた時には、すでに子ども自身が限界を迎えている可能性が高いため、身体症状の訴えや起床時間の変化などが見られた時には、「もしかして」とアンテナの感度を上げる必要があります。
ーストレスが身体症状として現れるケースは多いのでしょうか?
特に気持ちの言語化が難しい小学校の低学年の子どもだと、ストレスが身体症状として現れるケースは珍しくありません。
これまでの相談の中では、男の子は腹痛、女の子は頭痛といった形で男女でも現れる身体症状に違いがありました。
だからといって、高学年や中高生になったから身体症状が現れにくいわけではありません。年齢が上がるにつれて朝なかなか起きられないといったような、身体症状の現れ方が変わってくるため、子どもの体調の変化を観察することが大切です。
ー家庭でできる初期対応を教えてください。
学校に行きたくないという訴えが子どもから出てきた時に、家庭では3つのことを意識しましょう。
1つ目は、家庭内を子どもにとっての安全基地にすることです。2つ目は、子どもの気持ちを否定しないで、共感的に受け止めること。そして3つ目は、子どもの「何もしない時間」を否定しないことです。
子どもが「学校に行きたくない」と言うと、何とか学校に連れて行こうとしたり、いけない原因を追究したり、行かないことを責めてしまったりすることもあるかもしれません。
家庭内が安心できない状況だと、子ども自身がどこにも居場所がなく追い詰められた状態になってしまうため、まずは「子どもが安心して呼吸できる場所」をつくることが、回復への第一歩となります。
◆まるさん スクールカウンセラー
関東近郊にてスクールカウンセラーとして10年以上勤務。これまでに500人以上の保護者や子どもの相談を経験。その経験を踏まえてすくかうぶろぐにて、保護者の困りごとを解決する記事を発信中。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
























