感じのいい人は謝るのが上手いわけではない(B.B軍曹さん提供)
感じのいい人は謝るのが上手いわけではない(B.B軍曹さん提供)

相手から理不尽なことを言われてしまい、どう対応すればいいのか分からず戸惑った経験はないでしょうか。B.B軍曹さんが投稿した作品『敵を味方に変える話し方』は、そんな悩む状況での対応の仕方を描いており、SNSで話題となっています。

それは、かつて作者が病院に勤務していた頃のことです。作者は患者さんから「上を出せ!」と激しく怒鳴られてしまいます。これに対して作者は、上司を呼んだとしても根本的な解決にはならないと考え、困り果ててしまいました。

その日の夜、夫の髭さんにこの出来事を話すと、彼もまた接客業などの現場で似たような経験を何度もしてきたと語ります。髭さんも最初は「自分では力不足なのか」と落ち込んだことがありましたが、ある時、相手の言葉の「本質」に気づいたといいます。それは、「上を出せ」という言葉に「責任を持って話を聞いてくれる人がいい」という、期待が含まれているということです。

クレーマーになってしまう人は、自分の状況や感情を「理解してもらえていない」という不満を抱えていることが多いのです。だからこそ、髭さんはまず相手の話を徹底的に聴くことに努めたといいます。そして最後に髭さんは、「感じのいい人って謝るのが上手い人じゃなくて話を聞いてもらえたって思わせるのが上手い人」と話すのでした。

同作について、作者のB.B軍曹さんに話を聞きました。

■言葉の裏にある“本当の気持ち”

ー当時「上を出せ」と言われた時どんな気持ちでしたか?

正直、「私じゃ役に立てていないのかな」と思っていました。「上司を出せ」はずっと、あなたでは信用できないと言われている気がしていたので。でも今思うとあれは能力の否定というより、ちゃんと対応してほしい、という気持ちの表れだったのかなとも思います。

ー「本当に上司と話したいわけではないのでは」と聞いたときどう思いましたか?

一番の発見は、相手の言葉=本音とは限らないということです。「上司を出せ」はあなたではダメだ、ではなく、責任を持って聞いてほしい、という意味のことも多い。そう思えるようになってから、恐怖心より相手を理解したい気持ちが、先に立つようになりました。

ー「話をしっかり聞くことで信頼につながる」ために意識していることはありますか?

意識しているのは、説明より先に、気持ちを汲み取ることです。人は解決しないから怒るというより、ちゃんと対応してもらえていない、と感じると怒ることが多いんです。なので先に、何が一番つらかったのか?何を期待して来たのか?を聞くようにしています。ゴールが同じでも、ちゃんと聞いてもらえたと思ってもらえるだけで、相手の反応は変わると感じています。

(海川 まこと/漫画収集家)