よしおさんお手製のコンポスト/「田舎カフェの、じっくり庭づくり」さん(@inakacafeyoshio)提供※画像はトリミングしています
よしおさんお手製のコンポスト/「田舎カフェの、じっくり庭づくり」さん(@inakacafeyoshio)提供※画像はトリミングしています

庭の雑草や枝を有効活用するコンポスト(家庭から出た落ち葉などのごみを微生物の働きで発酵・分解させて堆肥にするための容器)。一般的には定期的に全体をかき混ぜる重労働が必要ですが、その手間を「鉄パイプ1本」で解消した画期的なアイデアが注目を集めています。庭づくりの様子を発信しているYouTubeチャンネルで公開されたのは、かき混ぜることが難しい深型の構造に対し、鉄パイプを使って堆肥の内部に直接空気と栄養を届ける仕組み。この独自のアイデアを紹介した動画は11万回以上再生され、家庭菜園やガーデニングを楽しむ人々から「非常に理にかなった手法」「試してみたい」と多くの反響を呼び、11万回以上再生されています。

動画を公開したのは、宮崎県の田舎でカフェを営みながらYouTubeチャンネル「田舎カフェの、じっくり庭づくり」(@inakacafeyoshio)を運営している、よしおさん。よしおさんは、広大な庭から出る大量の雑草や落ち葉、剪定した枝を処理するため、木製の大型コンポストをDIYして運用していました。

前回の運用では、発酵を促すために市販の堆肥化促進剤を使用していましたが、使い続けるにはコストがかかる点がネックでした。そんな折、過去の動画に寄せられた「米ぬかだけでも十分に発酵する」という視聴者からのコメントをきっかけに、よしおさんは安価に入手できる米ぬかを使った方法への切り替えを試みます。

しかし、よしおさんのコンポストは大量の雑草を積み上げる深型容器のため、堆肥化に不可欠な「定期的に全体をかき混ぜて空気を当てる作業」が物理的に困難であるという新たな課題に直面しました。密閉された内部が酸欠状態になると発酵が進まず、ただ雑草が腐敗してしまう危険性があったのです。

そこでよしおさんが考案したのが、かき混ぜる代わりに「外部からダイレクトに空気と栄養を送り込むラインを作る」という発想でした。使用したのは、ホームセンターなどで手に入る長さ約1.5メートル、直径約3センチの鉄パイプです。このパイプを上からコンポストの底近くまで突き刺して引き抜くことで、堆肥の中に深さ約1メートルの「空気の通り穴」を複数作りました。

パイプは差しっぱなしにするのではなく、一時的に突き刺して穴をあけるために使用します。この穴あけ作業を30~40センチほどの間隔でコンポスト全体に行い、できあがったそれぞれの穴の中へ、コイン精米機などで格安入手した生米ぬかを数回に分けて直接流し込みました。

新しい方法で1年8カ月運用した後、コンポストを解体して中身を取り出しました。市販の薬剤を使わず、手作業でのかき混ぜも行わなかったため、よしおさん自身も最初はどこまで分解が進んでいるか半信半疑だったといいます。しかし、コンポストの側壁を外すと、そこには前回の促進剤を使ったときを上回る、フワフワとした黒褐色の腐葉土ができあがっていました。

今回収穫できた腐葉土の分量は、軽トラックの荷台半分強(約300リットル以上)にのぼります。これは庭の植栽や、カフェの家庭菜園の土壌改良にたっぷり使える十分な量でした。

「薬剤に頼らなくても、微生物の力を借りてここまで質の高い土ができるとは思っていませんでした。こうやって試行錯誤することこそ、DIYの醍醐味だと思います。すぐに完成を目指さず、いろいろ試しながら遊ぶような気持ちでやると、長く楽しめますよ」