鹿児島市のパチンコ会社「モリナガ」の社長らが、7月の参院選で業界組織トップの自民党候補者に投票すれば報酬を支払うと従業員に約束したとして、公選法違反容疑で逮捕された。期日前投票所で同候補者名を記入した投票用紙を撮影し、提出することを条件にしていたとみられている。そもそも、投票所での撮影は禁止されていないのか。選挙管理委員会や専門家に聞くと、現場での対応の難しさが浮かび上がった。(南日本新聞社)
■基準は秩序を乱すかどうか
事件を巡っては、同法違反(買収約束)の疑いで逮捕された社長ら3人が、モリナガの店長らにウェブ会議で指示。写真は店ごとに取りまとめるよう求め、店長らは買収に応じた従業員の氏名や投票日、画像などを一覧表にして、関連会社「デルパラ」(東京都港区)に送ったとみられている。
投票所での撮影可否について総務省に聞くと、「撮影そのものを禁止する規定はない」という。ただし公選法にのっとり、「投票所の秩序を乱す者がいた場合は制止し、従わないときは投票所外に退出させることができる」と答えた。